遺産分割の協議

● 遺言書が無く遺産の分割方法が指定されていない場合には、相続財産は法定相続人全員の共有となります。
 そこで相続人全員が話し合って相続財産の具体的な分け方を決める必要があります。(遺産分割協議)
● 遺産分割協議を行うためには、@相続人の確定、A相続財産の調査確定とその評価額の確定を済ませておく必要があります。
● 相続人全員の関与が必要であり、一人でも相続人を欠いた協議は無効ですが、必ずしも全員が集まって話し合う必要はなく、電話連絡や協議内容の書類を郵送するなどの方法も認められています。
● 相続人の中に未成年の子とその親が含まれている場合、子と親は財産をそれぞれいくら相続するかで利害が対立する関係にあるため、子の特別代理人の選任が必要です。
 選任の申立は、適切な人を選んでから子の住所地を管轄する家庭裁判所に行います。
● 相続人の中に認知症などの心神障害を抱えている方がいれば、家庭裁判所に成年後見人を選任してもらう必要があります。
● 相続人の中に行方不明者がいる場合
 ・家庭裁判所に不在者財産管理人を選任してもらいます。
 ・生死不明の期間が7年以上(危難に遭遇してから1年以上)になる場合には、家庭
  裁判所に失踪宣告の申立てを行います。
● 相続人全員の合意で分割割合を決めるため、分割割合は法定相続分のとおりでなくても構いません。
● 全員の合意で遺産分割協議が成立すると一方的に解除できません。

   

遺産分割協議書の作成

● 全ての相続人の合意で遺産分割協議が成立したら「遺産分割協議書」を作成します。
 遺産分割協議書は合意内容を記録して、相続人間の後の無用な紛争を防止する以外に、不動産名義や預金名義を変更するためにも必要になります。
● だれがどの財産を取得したかを明記します。
 財産の表示は、誰が見ても特定できるよう、不動産は登記簿のとおりに記載します。
 また預貯金は、「銀行支店名」、「預貯金の種類」、「口座番号」、「預貯金の残高」を正確に記載します。
● 一部の相続人に不動産や事業財産等の財産を与えて、他の相続人は財産を取得した相続人から財産取得の代償として金銭を支払ってもらうよう分割の取り決めをした場合(代償分割)、その内容や条件を明記しておきます。
● 相続人の住所は印鑑証明書の表示のとおりに記載します。
● 相続人全員が署名し、印鑑証明書に登録されている実印で押印し、印鑑証明書を添付します。
● 遺産分割協議書が1枚でまとまらず複数枚となる場合には、相続人全員が実印で割印(継印)を押印します。

分割協議がまとまらない場合

● 全員の話し合いで協議がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停により遺産を分割します。(調停分割)
 調停はどの相続人の住所地の裁判所でも構いません。
● 家庭裁判所の調停でも話がまとまらなければ、審判手続きにより遺産を分割します。(審判分割)
 審判は、被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所か、相続開始地の家庭裁判所で行います。