韓国籍の方の遺言

● 韓国籍の方が日本でお亡くなりになられた場合、相続手続きは韓国民法によることになりますが、遺言も韓国民法によるのでしょうか?
 日本で生まれて日本で育った特別永住者の方が遺言書を作成したい場合に、韓国の法律に従うのかどうかが問題となります。

適用される法律

● 外国国籍の方が遺言書の作成を希望している場合に、遺言の意思表示としての成立や、遺言による意思表示の効果について、どこの法律が適用されるかは、日本の法律である「法の適用に関する通則法」により定められています。

 「法の適用に関する通則法(日本)」
    第三十七条(遺言)
   1  遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。
   2  遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。

● しかし、遺言の方式については、同じく日本の法律である「遺言の方式の準拠法に関する法律」により定められています。

 「遺言の方式の準拠法に関する法律(日本)」
  第二条(準拠法)
   遺言は、その方式が次に掲げる法のいずれかに適合するときは、方式に関し有効
   とする。
    一  行為地法
    二  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時国籍を有した国の法
    三  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時住所を有した地の法
    四  遺言者が遺言の成立又は死亡の当時常居所を有した地の法
    五  不動産に関する遺言について、その不動産の所在地法

● 日本の「遺言の方式の準拠法に関する法律(日本)」の第二条四号により、日本に常居所がある方の遺言の方式は、常居所地である日本法によることも可能です。

●次に 「大韓民国国際私法」の遺言の規定を確認します。

 「大韓民国国際私法」
  第四十九条(相続)
   @相続は、死亡当時被相続人の本国法による。
   A被相続人が遺言に適用される方式により、明示的に次の各号の法律のいずれ
    かを指定するとき
は、相続は、第1項の規定にかかわらず、その法による。
     1.指定当時の被相続人の常居所がある国家の法。ただし、その指定は、
      被相続人が死亡時までその国家に常居所を維持した場合に限り、その
      効力がある。

     2.不動産に関する相続に対しては、その不動産の所在地法

● 「大韓民国国際私法」四十九条.A.1 によって、遺言に適用される日本の方式により、死亡時まで日本に常居所を有する韓国籍(特別永住者)の方が「私の相続は日本法による」と遺言書に明記すれば、相続は日本の民法に従うことになります。

● 日本にずっと住むつもりの韓国籍の方は、まさかの時に備えて「相続を日本法による」旨の遺言書を準備しておけば、相続を韓国法によらなくてすみます。